今、FinTechをキーワードにした利便性の高い金融サービスの登場が、消費者の意識に大きな変化をもたらしつつあります。また、デジタル技術の進展に伴い、グローバル規模での革新や競争がさまざまな分野で始まっています。本特集では、日立の技術やノウハウ、幅広いお客様との「つながり」の活用における仮説提示を中心に、デジタル金融イノベーションの実現に向けた取り組みを紹介しています。
スマートフォンが社会に浸透し,ビッグデータ,人工知能などの技術が急速に発展する中で,それらITと金融サービスを結びつけて新たなサービスを創出するFinTech(フィンテック)への関心が高まっている。
日立グループは,社会イノベーション事業の中心領域の一つとして金融分野に注力している。
われわれは,異業種間でのデータや資産の交換・追跡方法が激変するのを目の当たりにしようとしている。業種間共通の分散元帳の標準化は,ビジネスプロセスを合理化するだけでなく,信頼性,取引の説明責任性,そして透明性を高めることが可能であり,われわれのビジネスの仕方を根底から改革する機会となる。
マイナス金利政策の導入後,銀行をはじめとした国内金融機関は,貸出金利や運用利回りの低下による収益の下振れを見込んでおり,2017年3月期決算も減益を予想する金融機関が多い。
このような経営環境を背景に,非金利収入ビジネスの強化やITによる業務効率化とともに,当面の戦略として多くの金融機関が掲げているのが「FinTechの活用」である。