1.北米におけるTotal Building Optimization
日立は,多数の中小規模施設を持つ需要家向けの省エネルギーソリューションとして「Total Building Optimization」を開発している。近年,大企業を中心とした多くの企業がコスト削減や地球環境対策の観点から省エネルギーの推進に注力している。一方で,広大な国土に中小規模の施設・設備を多数,分散して保有している場合,全体としてのエネルギー消費量は莫大でありながら個々の施設の規模は小さく,費用対効果の面からハードルの高い省エネルギー対策は遅々として進んでいない。
日立は,これまで北米の大手通信事業者など多数の顧客との協創により培ってきた省エネルギーソリューションや小規模多棟向けの省エネルギー解析・設備診断のモデル化技術,ノウハウを駆使して,IoT(Internet of Things)を活用したエネルギー消費情報の収集と高度な制御のほか,それらの情報を一元管理するシステムの開発を進めている。これに伴い,最適制御による高効率化と省エネルギー運用の実現,遠隔異常検知や劣化の早期発見,保守作業効率化などによる省エネルギー推進,運用コストの最適化などのサービスを2018年より北米にて提供開始する予定である。