1.温度逸脱検知インク
より安全で安心な食品・医薬品をエンドユーザーに提供するため,個別商品ごとに一貫した流通品質管理を可能とする温度逸脱検知インクを新規に開発した。商品の配送単位は,生産者から消費者に輸送される過程で,大型トラックやコンテナ単位から梱包箱,個別商品と少量化していく。現状,商品管理は高価なセンサー付き記録機を用い,大型トラックやコンテナなどを単位として限定的に実施されているが,消費者までの一貫した品質管理サービスの提供が望まれている。
今回開発した温度逸脱検知インクは,商品ごとに定められた管理温度帯の上限と下限からの逸脱を不可逆の色変化により検知するものである。個別商品のIDコードを組み合わせた温度逸脱検知コードを個別の商品やダンボール箱に付与し,保管倉庫や販売店などの各流通ポイントでコードをスマートフォンで読み取ることにより,商品の管理状態,時間,場所などの情報取得が可能となる。温度逸脱検知コードとIoT(Internet of Things)を活用し,生産から販売までの一貫した品質管理を安価なコストで実現する。