1. 医薬品業界向け日立デジタルソリューション
日立製作所では,研究開発グループで過去10年にわたり解析ノウハウを蓄積して開発した医学的な説明能力を持つディープラーニング技術「B3(Black Box Breaker)」や,医療分野のテキスト解析に特化した自然言語処理技術「CSL(Clinical Semantic Linker)」を活用し,各業務領域において顧客とのPoC(Proof of Concept)を行い効果を確認してきた。
そしてこれらの技術をコアとするHitachi Digital Solutions for Pharma事業を2017年に立ち上げ,患者層別化ソリューション,治験計画支援ソリューション,標的探索ソリューションなど顧客の業務を効率化するサービスを提供している。
医薬品業界を取り巻く環境が,医療費増大による薬価引き下げや,医療技術の高度化(個別化医療,再生医療)による研究開発費の増大など厳しくなる中で,より高精度な事業価値評価を行う必要に迫られている。さらには,世界各国で,医療技術の保険償還や価格設定など医療政策上の意思決定において,医療技術の費用対効果を評価する医療経済評価が導入されており,科学的な根拠に基づくエビデンスの提示が求められている。
こうしたニーズに対応するべく,開発戦略ソリューションを立ち上げ,事業性評価や医療経済評価のシミュレーションサービスも追加し,上流から下流まで一気通貫で創薬プロセスの業務効率化や精度向上をめざしたサービスを提供することで,顧客の事業成長と患者のQoL(Quality of Life)向上に貢献していきたい。
今後は,本事業を医療機器などのヘルスケア産業全般へ適用拡大を進める。