近年,IoTによる新たなイノベーションをめざす動きが製造業を中心に活発になっている。米国においては,GE(General Electric Company)を中心としたIndustrial Internet Consortium(IIC)が,ドイツにおいては,ドイツ政府主導のIndustrie 4.0がそれぞれ立ち上がり,製造業とIT業界を巻き込んだエコシステムの形成や標準化への取り組みがなされている。
IoTの目的は,モノを作る側の効率向上と,それらを使う側の利便性向上に大別することができる。モノを作る側の機器や工場においてIoTを活用することで,生産性向上や在庫圧縮などが実現し,より賢くモノを作ることができる。Industrie 4.0は,主にこの方向を指向しており,経営層と製造現場をつなぐVertical Integration,工場間をつなぐHorizontal Integration,設計−製造−保守をつなぐEnd-to-End Digital Integrationの3つのIntegrationの実現をめざしている。