鉄道は,世界的に環境問題や都市部への人口過密問題を抱える現在,自動車や航空機と比較してエネルギー効率に優れた大量輸送が可能な交通手段として,その価値が見直されてきている。
日本の代表的な高速鉄道である新幹線は,全国新幹線鉄道整備法に基づいた整備計画によってネットワークが拡充されてきた。近年では,2015年3月の北陸新幹線金沢開業,2016年3月の北海道新幹線新函館北斗開業と,新幹線ネットワークの整備が着実に進められている。
これら2つの新幹線開業では,鉄道会社間で相互直通列車の運行を行う。1社での運行と比べて複雑な運用となるが,新幹線を円滑に運行し,乗客が新幹線をスムーズに利用できることが望まれる。そのため,新幹線運行管理システムは,乗客のニーズに応えた運用を実現し,安全で安定した運行を支えていく必要がある。
今回,相互直通列車の円滑な運行の実現にあたり,新幹線運行管理システムの開発・改良を行った。