ポストゲノム時代を迎えた近年のバイオメディカル研究において,光学顕微鏡の解像限界を遙かに凌ぐ透過電顕解析に新たな潮流が生じてきた。遺伝子ノックアウト動物における細胞の微細構造変化に加え,あらゆる細胞へ分化する無限の可能性を秘めたiPS細胞から作製された細胞や組織の微細構造を検証する巨大なニーズが創出されたのである。
この潮流に応えるべく,最新の透過電顕にはオートフォーカス機能やCCDカメラによるオールデジタル撮影,テレビ会議システムを応用した画像配信機能が搭載され,簡単便利で高精細な解析手段として飛躍的な進化を遂げており,次代を見据えた最新情報として紹介したい。