走査型電子顕微鏡(SEM)において,電子線を1ラインごとに左右に傾斜させることで2枚の視差画像を同時取得できるようにし,モニタ上でTVレートでの立体視ができる装置を開発した。また,電子線傾斜によって生じる軸外収差を低減可能な光学系を開発することにより,視差画像の分解能を向上させた。
このようなリアルタイムステレオSEMは,試料観察時に立体視ができることから,SEM内での試料のマニピュレーションなどに有用である。そこで,SEMの試料室に収納できる小型マニピュレータを試作し,これを搭載したリアルタイムステレオSEMにより生物試料の微小解剖を行い,その有用性を示した。