―高性能蛍光X線膜厚計 FT150シリーズ―
蛍光X線分析によるめっき膜厚の計測は,非破壊・非接触で多層膜を同時に測定可能な方法であり,電子部品などのめっき膜厚計測用途で広く用いられている。微小化する測定部位の計測を行うには,照射するX線を細く絞る必要がある。
高性能蛍光X線膜厚計FT150シリーズでは,従来のコリメータ方式に代わり,ポリキャピラリX線集光素子を用いることで,試料に照射するX線の強度を1,000倍程度に高めることが可能となり,数十マイクロメートル領域でのナノメートルレベルのめっき膜厚測定のニーズに応えている。本稿では,いくつかの典型的な試料での実測例を通じて,達成された測定精度を紹介する。