日立は欧州統一規格鉄道信号システムであるETCS車上装置の基礎製品開発に着手し,2013年にEUで指定された第三者規格適合性評価(認証)機関から欧州指令に基づき規定された技術仕様TSIへの適合証明を取得した。この基礎製品開発をきっかけとし,日立は欧州以外の企業で唯一,英国ETCS市場での入札資格を取得し,欧州信号市場への本格参入に向けた一歩を踏み出した。
2014年5月,日立は英国の鉄道設備保有管理会社Network Rail社から,車両運用会社であるWest CoastRailways社が保有するClass37機関車向けのETCS車上装置を初めて受注した。本装置の製作,ならびにTSIや英国規格への適合証明に加え,英国現地法人HitachiRail Europe Ltd.を通じて本装置の機関車への搭載および試験を実施し,その後,英国行政機関から運用認可取得を果たした。
今後,ETCSは世界各地での採用が計画されていることから,今回の経験を生かして本装置をグローバル信号システムにおけるキーコンポーネントの一つとし,ETCS 車上装置の展開を進める。