日本の超高層建築の先駆けとして1968年に竣工した霞が関ビルディングに,日立は当時の国内最速である分速300 mのエレベーターを納入した。日立はこのために研究塔を建設し,超高速エレベーターの開発を始動させた。
1993年には当時の世界最速となる分速810 mのエレベーターを開発し,現在に至るまで,日立は世界最先端のエレベーター開発を継続してきた。脈々と受け継がれてきた伝統の中で,2010年に新研究塔G1TOWERを竣工し,2016年には分速1,200 mの超高速エレベーターを実現させた。
本稿では,日立のエレベーター研究開発の経緯を振り返る。