1.5.2 MW風力発電機のナセル耐久性検証
再生可能エネルギーの中でも風力エネルギーは有望で実用的なエネルギー源の一つである。日立製作所は定格出力5.2 MWの風力発電機を開発し,2015年に初号機を建設,2016年には福島県沖に浮体式として2基目を導入した。風力発電機は導入エリアが陸上から洋上へと移り,大型化が進んでいるが,事故や故障リスクが増大することから,信頼性の確保が不可欠となる。
そのため,5.2 MW風力発電機のナセルを試験用に製作し,耐久試験を行うことで,風車の主要構造に対する信頼性検証を行った。試験はスペインのナバラ州にある国立再生可能エネルギー研究所(CENER:Centro Nacional de Energias Renovables)にて約半年間に渡り実施した。試験荷重は20年間の疲労荷重に相当する等価荷重を複数パターン負荷した。この試験により,主要構造物の荷重伝播(ぱ)が事前解析や動解析と一致しており,十分な耐久性を持っていることが検証された。
日立はこの試験データを量産設計にフィードバックし,より信頼性の高い風力発電機として完成度を高めていく。