2020 Vol.102 No.3 Digital Solutions
for a Better Future Societyより良い未来社会を拓くデジタルソリューション
今日,人々の暮らしや働き方,企業組織,ビジネス形態などさまざまな面で,価値観や行動の変容が求められている。そうした変化の最大の駆動力となるのが,日々進化を続けるデジタル技術であり,昨今の世界的に拡大する感染症がもたらす社会の変容においても,その重要性はますます増してきている。
日立は,社会とビジネスのデジタルトランスフォーメーションをリードし,さまざまな社会課題に向き合いながら,多くの顧客・パートナー企業との協創を通じた社会イノベーション事業により,その先にあるより良い社会を切り拓いていこうとしている。
本特集では,社会イノベーション事業の進化を実現するためのカギの一つであるデジタル技術を支える共通の仕組み「Lumadaのプラットフォーム」を詳述するとともに,ビジネスの現場での新たなサービス価値を創造するユースケースや応用ソリューションを紹介する。
Cover Story
持続可能な社会の実現にデジタルで貢献
サービスを起点として広がるデジタルトランスフォーメーション新たなサービスの概念と,顧客と共にめざす価値創造
デジタルトランスフォーメーションが企業経営の重要なキーワードとなっている中,変革を成功させるには技術起点ではなく課題解決型のサービス創出が重要であり,最新のサービスロジックが手がかりになると,北陸先端科学技術大学院大学の小坂満隆名誉教授は説く。
デジタル時代のサービスイノベーションに必要な考え方とは何か。サービスイノベーション研究の第一人者である小坂名誉教授に,日立製作所システム&サービスビジネス統括本部の赤津雅晴CTOが聞く。
OTとITを融合するサービス連携サイバーとフィジカルをつなぐことで生まれる新しい価値
近年,IoTやAIなどの新しいデジタル技術が,ビジネスだけでなく産業や社会システムを大きく変革させている。しかし,サイバー空間とフィジカル空間を融合して新たな価値を生み出すために重要なカギとなるのは,世界的なネットワークを有するクラウド企業との連携,そして協創である。
アマゾン ウェブ サービス(AWS)の日本法人で執行役員 技術統括本部長を務める岡嵜禎氏を招き,日立でLumadaのプラットフォームの研究開発を統括する岩嵜正明とともに,DXをめぐる現在の状況や推進してきた取り組み,そして今後の展望について語り合った。
GLOBAL INNOVATION REPORT
インドの決済エコシステムの発展に貢献する日立グループの取り組み
インドは,世界で最も急速に経済成長している国の一つであり,経済成長により銀行・決済サービスに対するニーズとその利用が増加している。日立ペイメントサービス社は,金融市場でパラダイムシフトが起きているインドで,決済エコシステムの発展のためにさまざまな施策を展開し,市民の金融サービスの利便性の向上に貢献している。
FEATURED ARTICLES
Lumadaを支えるプラットフォーム技術
日立グループが推進する社会イノベーション事業では,サイバー空間とフィジカル空間を相互に連携させつつイノベーションを実現する力が必要となる。日立のLumadaは,サイバーフィジカルシステムを実現するデジタルプラットフォームとして,日立が提供するデジタルトランスフォーメーションを支えている。
ここでは,異種システム間の連携を可能にし,データを価値へと変換するLumadaを構成するデジタルプラットフォームや関連技術について詳しく解説する。
価値創出を加速するデジタルソリューション
ビジネスのグローバル化や効率化が進む中,データのさらなる利活用や,業種を越えた企業間の連携が重要となっている。日立は,顧客やパートナーとエコシステムを形成し,新たな価値を創出するデジタルソリューションの開発を進めている。
ここでは,金融,公共などさまざまなビジネス分野において,Lumadaを活用した最新のユースケースや応用ソリューションを紹介する。