IoTやAI,ビッグデータ利活用といった先鋭技術は企業活動や人々の生活に深く浸透し,社会は今,本格的なデジタル時代に突入している。 こうした潮流の中,日立はさまざまなパートナーとの協創による社会イノベーション事業を通じて,日本政府が提唱するSociety 5.0の実現をめざしている。 本号では,デジタル技術との融合により大きな価値創出が期待される金融・社会・ヘルスケア分野における開発技術・ソリューション事例と,それらの進展とともに高度化する社会インフラセキュリティを紹介する。
インターネットを前提としたデジタル社会が私達の生活に普遍的に貢献できる社会のイメージは,情報の専門家でなくてもデザインできるようになった。これからは「人のためのデジタル社会」が構築されると慶應義塾大学 村井純教授が提言する。
急速に進歩するデジタル技術が,データの高度な利活用による新しい価値の創出を可能にしている。デジタル技術を活用した社会イノベーション事業を通じて人間中心の超スマート社会「Society 5.0」の実現をめざす日立の取り組みを,執行役副社長の塩塚啓一が語る。
近年,インターネットに匹敵するイノベーションとして注目されるのが,仮想通貨の土台を支えるブロックチェーン技術である。この社会の仕組みを劇的に変える可能性を秘める技術が,人々の生活にどのような変革をもたらすのか。京都大学 岩下直行教授と日立製作所の金融分野のキーパーソンが未来を展望する 。
慶應義塾大学と日立は,多種多様なシステムがつながる超スマート社会の実現に向けて,サイバーセキュリティ分野の共同研究を行っている。この共同研究を主導する慶應義塾大学 砂原秀樹教授と日立のセキュリティ事業を統括する斎藤浩が,IoT時代に求められるサイバーセキュリティの課題や産学連携による取り組みなどについて語り合う。
近年,IoTデバイスの急速な普及やAI・ビッグデータなどの発達により,各業界にデジタライゼーションの波が到来している。これに伴い,企業ビジネスはもとより,社会の在り方そのものが大きく変わろうとしている。日立は,金融,社会,ヘルスケア分野で共通的に適用可能な基盤の確立を見据え,各分野で先進技術・ソリューションを開発・提供している。
社会インフラのデジタライゼーションの進展に伴い新たな価値が創出される反面,従来とは異なるセキュリティ脅威が出現している。このような社会課題に対し,政府・業界団体などが解決に向けて取り組んでいるが,2017年には世界中でランサムウェア事案が発生し,日立も被害を受けた。
日立は,そこで得た教訓を生かし,セキュリティビジョン「Evolving Security for changing IoT world.(進化するセキュリティ)」の下,サイバー・フィジカル両面からのセキュリティソリューションを提供するとともに,セキュリティ人材の育成を進めている。