2021 Vol.103 No.3 Digital Transformation of Operational Technology社会と産業のイノベーションを支える情報制御システム
今日,SDGsを契機にグローバル企業の多くが社会課題の解決に取り組んでおり,その最大のカギとなるのはデジタルトランスフォーメーション(DX)である。
日立は,製造業としてものづくりのフィールドに加え,さまざまな社会インフラシステムの構築・運用を担ってきた経験から,「OT×IT ×プロダクト」により全体最適化を図るDXを推進している。
本特集では,製造現場の最適制御を実現するスマートファクトリー「Lighthouse」の取り組みとともに,エネルギー・鉄道・水道・鉄鋼などの社会インフラ分野における情報制御システムの最新事例を紹介する。
Cover Story
社会課題の解決に向けたGlobal Lighthouse Networkの取り組み
世界経済フォーラム(WEF)では,2018年から第四次産業革命をリードする世界で最も先進的な工場を「Lighthouse」として選出・発表している。日本企業として初めて「Lighthouse」に選出された大みか事業所が評価された取り組みと今後の期待される役割とは。WEFのFrancisco Betti氏が語る。
社会インフラを支えるドメインナレッジが結実した「総合システム工場」
製造業のデジタル化を牽引するLighthouseとして
デジタル技術を活用した社会変革への期待が高まり,産業界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)による生産改革が本格化しつつある。
日立が長年にわたって提供してきた社会インフラの情報制御システムを担ってきた大みか事業所は,2020年1月に世界経済フォーラムよりデジタル化の先進工場「Lighthouse」に選出され,その生産改革の取り組みが注目を集めている。
日立は情報制御システムを通じてどのように社会と産業のDXに貢献していくのか。大みか事業所の活動全体を指揮する花見英樹統括本部長に聞いた。
社会課題の解決につながるDXへ
情報制御を基点に社会と産業を捉え直す
電力や鉄道,上下水道をはじめ,社会インフラを支える情報制御システムを長年にわたって提供してきた日立は,現場で培ったドメインナレッジとデジタルトランスフォーメーション(DX)を融合させることにより,快適で便利な社会生活の実現とともに,さまざまな社会課題解決への貢献をめざしている。
IoTやAI,ロボティクスといったデジタル技術が急速に進展する中,今後の情報制御システムはどうあるべきか。5名のキーパーソンに聞いた。
FEATURED ARTICLES
次世代工場と社会インフラを支える情報制御システム
日立製作所大みか事業所は設立以来,電力や鉄道をはじめとする社会インフラを支える情報制御システムを提供し,複雑化する社会課題に対応してきた。同事業所は2020年1月にWEF(世界経済フォーラム)から世界の先進工場Lighthouseに日本企業として初めて選出された。 ここでは,Lighthouse選出にあたり大みか事業所が訴求した代表的な取り組みとともに,社会インフラ・産業分野のDXを支える情報制御システムの最新事例について概説する。