持続可能な社会の実現に向けて企業が行動を求められる中,日立は2021中期経営計画において,社会や顧客に対する「社会価値」・「環境価値」・「経済価値」の提供をめざす社会イノベーション事業の推進を掲げている。注力事業領域として位置づけられる五つのセクターにおいて,IoTやAIなど先端技術の活用に欠かせない共通基盤となるのがプロダクトである。
本号では,日立のプロダクト事業にスポットを当て,OT×IT×プロダクトの知見を生かした現場と経営をシームレスにつなぐデジタルソリューションと,その実現に貢献するプロダクトを紹介する。
2021中期経営計画において,日立は社会イノベーション事業の推進,デジタルソリューションによる三つの価値向上を掲げている。その中で,OT×IT×プロダクトの知見を有するインダストリーセクターがめざすものとは――インダストリーセクターの成り立ちと役割,これからの姿について,同セクターを管掌する日立製作所執行役副社長兼インダストリー事業統括本部長の青木優和が語る。
生産設備へのIoT導入によるデータの共有と活用が進み,世界各国でスマートなものづくりをめざす取り組みが進んでいる。こうした中,日本の製造業はデジタル化にどう取り組んでいくべきか。IoTを活用したスマートマニュファクチャリングの実現をめざすフォーラム,IVIを設立し,ものづくりのデジタル化をリードする法政大学の西岡靖之教授に話を聞いた。
日立のインダストリーセクターを牽引する産業プロダクト事業では,「ビルトイン」,「コネクテッド」,「リカーリング」の三つの観点から事業を推し進めている。産業プロダクトに求められる価値の変化をはじめ,インダストリーセクターの大方針であるトータルシームレスソリューションの実現に向けた取り組み,今後の展開などについて,産業プロダクト事業に関わるキーパーソンたちが語り合う。
空気圧縮機は産業の現場に欠かすことのできない機器である。1911年に最初の空気圧縮機を発売して以来,日立は空気圧縮機事業と製品ラインアップの多角化を進めてきた。2017年には米国サルエアー社がグループの一員に加わり,グローバル展開を加速している。ここでは,さまざまな分野の顧客に向けた日立の圧縮空気ソリューションを紹介する。
デジタル技術の進歩により製造現場が劇的な進化を遂げつつある中,デジタル技術を活用して工場の設備をネットワーク化し,生産性向上や最適化を図る「スマートファクトリー」が注目されている。ここでは,経営と現場をシームレスにつなぎ,現場の運営を円滑化する日立のソリューションとサービス,プロダクトについて紹介する。
熟練作業者の不足,設備の老朽化など,産業の現場でさまざまな課題が顕在化している。こうした中,日立は現代の産業界が抱える課題に応えるべく,OT×IT×プロダクトの知見を生かした製品開発を進めている。ここでは,デジタル技術を活用した製造や物流の現場の効率化・省力化に寄与するユーティリティ・インフラプロダクトを紹介する。
SDGsとは,持続可能な社会の実現をめざして国連で定められた17のゴールと169のターゲットから成る国際社会共通の目標であり,2030年までの達成に向けたグローバルな取り組みが加速している。本稿では,SDGsの早期達成に向けた新たなアプローチとして,科学の全体を近似すると考えられるデータから,SDGsにより早く至る可能性がある道程を,客観的な計算機アルゴリズムによって導出する一方法を提案する。