2021 Vol.103 No.5 Driving Forward for Sustainable Future Mobility安全・安心,快適で環境と共生するサステナブルモビリティ
地球規模での気候変動やSDGs達成をめざす機運を背景に,持続可能な社会の一翼を担うモビリティ像が模索されている。
日立グループは,COP26開催への支援を表明するなど地球環境の課題解決への取り組みを強化するとともに,自動化・電動化を基本としてビッグデータでつなぐクルマソリューションで社会価値の創造をめざしている。
本特集では,自動車・二輪車業界にモビリティソリューションを提供する新体制をはじめ,サステナブルなモビリティの未来像と,その実現に向けた日立の取り組み状況を,CASEの切り口から紹介する。
Cover Story
コロナ禍においても進化するサステナブルモビリティ
近年,地球温暖化への対応やパンデミックにより自動車業界は急激な変化にさらされている。今後10年にわたる「ニューノーマル」はどのようなものになるのか。さらには,この期間を切り抜けるために意思決定者ができることは何か。Roland Berger社のJan-Philipp Hasenbergが徹底的なリサーチと自動車業界での経験に基づいて解説する。
モビリティソリューションを通じて持続可能な社会に貢献するグローバルリーダーへ
2021年1月,日立Astemo株式会社は,自動車・二輪車業界にモビリティソリューションを提供するリーディングカンパニーをめざして設立された。安全・安心・快適で,環境に配慮したサステナブルなモビリティ社会を実現するソリューション創出に取り組む同社の展望を,プレジデント&CEOブリス・コッホが語る。
サステナブルな未来のモビリティを実現する社会イノベーション
CASEで変貌するクルマ社会を展望する
地球規模の環境問題を背景に,多くの国と地域がカーボンニュートラルの実現をめざし,産業界ではエネルギーシフトと電動化が加速している。モビリティ,特にクルマではその流れを受けた脱ガソリン車に加え,デジタル技術の発展を背景としたCASEの潮流が広がり,大きな変革期を迎えている。
人々の生活や産業の発展に貢献してきたモビリティは,サステナブルな社会の構築という新たな課題にどう応えていくのか。次世代モビリティ研究の泰斗である東京大学の須田義大教授を迎え,日立グループモビリティ分野のキーパーソンと意見を交わす。
クルマの未来像に向けた新たな価値の創出
サステナブルモビリティ実現のための日立の技術戦略
現在,CASEと呼ばれるイノベーションが加速する中,日立グループは新体制を構築し,先進的かつサステナブルなモビリティ技術を活用したソリューションの数々を開発している。それらは,デジタル社会における人々のQoLを向上させる社会価値,地球環境の課題解決に資する環境価値,そして顧客への経済価値を提供することをめざすものである。そのための技術戦略と開発の現状,そして未来ビジョンについて,5人のキーパーソンに聞いた。
GLOBAL INNOVATION REPORT
自動車市場におけるカーボンニュートラル達成に向けた欧州・中国の取り組み
世界各国で環境保全の動きが強まる中,自動車業界にもカーボンニュートラルや電動化など,ダイナミックな技術革新が求められている。日立Astemoは,グローバルサプライヤとして,このような状況に対応すべく,海外の各拠点にて研究開発を加速している。
本稿では,欧州・中国の自動車市場と現地における日立Astemoの取り組みをそれぞれ紹介し,次世代のモビリティ社会を展望する。
FEATURED ARTICLES
CASE時代のクルマ社会をリードするモビリティソリューション
近年の自動車・二輪車業界では,電動化や自動運転,コネクテッド,シェアリングなどCASEと呼ばれるメガトレンドによる変革期を迎えており,業界で求められている先進的な技術や高度なソリューションを生み出すための企業規模の追求と複雑な産業構造への対応が求められている。日立Astemoは,拡充した事業規模と技術力を統合し,先進的なモビリティソリューションを通じた社会価値、環境価値を提供していく。
ここでは,持続可能な社会に貢献するグローバルモビリティプロバイダーとして新たにスタートした日立Astemoの先進的なモビリティソリューションと技術開発の取り組みを紹介する。